18ステラC5000XGを分解!サイレントドライブの謎に迫る

分解好きの皆様。
大変お待たせ致しました。

18ステラ分解
今回は18ステラC5000XGの分解レポートです。
ギアの互換性やサイレントドライブの仕組みについて解説します。

結論から申し上げますと、18ステラヤバいですね。
もういろいろ違いすぎて14ステラとは全くの別物です。
誰だマイナーチェンジとか言ったやつは。

これ完全にフルモデルチェンジですわ。

写真がかなり多いので時間があるときにどうぞ。


早速やって行きましょう。
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買ってまだ一回しか使ってませんが調整も兼ねて分解開始。

まずはスプールを外し、

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いつものようにイモネジを外してスプール受けを抜き取ります。

続いてローターナットを止めているリテーナーを外し、

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ローターナットを外していきます。
逆ネジなので時計回りで緩みます。
12番のメガネレンチを使いましょう。

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今作のステラもしっかりローターナットにベアリングが付いていますね。

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ローターが外れました。

せっかくなので重さを量ってみると・・・

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なに!60.8g!?

因みに14ステラ4000番台のローターの重さは、
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59.0g。

18ステラの方が少し重くなっていますが、
スプール径が大きくなったことでローターも大きくなっていますので、
まあ当然ですかね。

18ステラのローターの内側は非常に複雑な作りになっています。
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NEWマグナムライトローターのようにベールのリターン機構が反対側に付いてますね。

ついでに他のパーツの重量も測定。

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ハンドルは35.5g。中々軽量です。

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ドラグノブは11.3g。
14ステラが12.5gだったので少し軽量化されています。

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スプールはPE3号を200m巻いた状態で57.4g。


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ボディは101.0g。
今作のステラはボディがかなり軽くなっています。

それでは分解を進めていきましょう。

てかこの時点でかなり14ステラと作りが異なります。
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この大きな円盤がそのままローターカラーになっています。
これがコアプロテクトなのか・・・

ボディを開ける前にネジを隠しているカバーを外します。
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何とネジ1本で止まっているだけです。
今までのボディ内部のネジを外す手間がなくなったので分解が楽になりました!

カバーの上部にはツメが設けられ、
こちらでもボディに引っかかるように固定されるのでネジ1本でも十分のようです。
自分でOHする人にとってこの改変は非常に有難い。
シマノさんありがとうございます。

ボディを正面から見たところ。
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カバーを止めていたネジ穴の直上には小さなワッシャーがあります。
なくさないように注意。

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カバーを外すと中々奇抜な形をしていますが、
しっかり14ステラからGフリーボディを受け継いでいますね。

写真で見た時から、いったいどんなボディなの??
と不思議に思っていましたが、
いやはや、まさかこんなボディ形状にしてくるとは思いませんでした。

今回は表に3か所、反対側からも1か所の4本のネジで止められています。
地味に今までのどのリールにも無い作りです。すごい。

ネジを4本外したらいよいよ開封の儀。

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おお~。こうなっているのかぁ(感動)

と、ここに17ツインパワーXD4000XGのドライブギアがあります。

なんでそんなもの持っているのか気になった方は
こちらの記事をお読みください。
「(人柱)17ツインパワーXDのギアは14ステラに移植できるのか? 」

それでは早速18ステラと17ツインパワーXDのドライブギアの互換性を調べていきましょう。

まずはギアの歯数を数えていき・・・
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左が17ツインパワーXD4000XG。歯数37。右が18ステラC5000XG。歯数37!

しゃあ!キタ!

予想通り18ステラには17ツインパワーXDと同系のギアが使われていました!

早速取り付けてみます。
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ガッチリ噛み合いクルクル回る!

ということで、
18ステラと17ツインパワーXDは4000番台でドライブギアの互換性があります。

14ステラに組み込めなかった時は泣きそうになりましたが、
とっておいて良かった~。
摩耗してきたらこっちと交換しよう。

分解に戻ります。

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ドライブギアを外したところ。
基本的な構造は14ステラと同じようです。

しかし、クラッチ周りとか全く違います。

銀の円盤を外したところ、内側はこんな感じ。
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複数の段差が設けられ内側が粉を吹いたみたいに撥水処理されています。

円盤のほうも、
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こちらも内側に段差がありしっかり撥水処理されています。
この段差同士が非接触の状態で噛み合うように配置されることにより、
ローターが回転中も水の侵入を阻む仕組みのようです。

銀の円盤とローラークラッチインナーカラーは分離できます。
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ローターと一緒にこの銀の円盤も回転するんですが、
非接触なのでマグシールドのように回転に影響を与えることはありません。

回転中の防水性能について知りたいのでそのうち実験してみようかな。

分解を続けていきます。
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リールフット側のオシレーティングシャフトは上から抜けるようになりました。

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クロスギアを外したところ。
割とグリスべっとり。


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小さくなったフリクションリングを外すとクラッチを止めている3本のネジが見えます。

これが今作の新型ローラークラッチ。
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裏も表も変わりすぎだろ・・・

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もちろんボディとの境目には防水のためのOリングも健在。

こちらはクロスギア周りのパーツ。
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クロスギア(ウォームシャフト)、材質が変わった?色が明らかに違います。

ウォームシャフトギアはマイクロモジュールのままですが、
材質が高強度のエンジニアプラスチックに変わったのか真っ黒になっています。

そしてピニオンギア。
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実はここに18ステラのサイレントドライブの要があります。

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ピニオンギア下端のこの1枚のワッシャーです。
もうシマノを褒めてあげたい。

これ。完全にウェーブワッシャーですね。
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微妙に湾曲しているのが分かりますでしょうか?

いや~ついに、
いやようやくシマノもウェーブワッシャーを使ってくれるようになりましたね。
ダイワはもうずいぶん前からこれを使ってハンドルガタを抑えてきていたというのに・・・

ピニオン2個ベアリングのXシップの時もそうでしたが、
ほんと、採用するのが遅すぎますよ。
Sダイレクトギアとは一体何だったのだろうか・・・

これを見れただけでも18ステラを買った甲斐がありました。

こちらの記事にも書きましたが、
初代イグジストのオーバーホール

ウェーブワッシャーとはそれ自体がバネの役割を果たしているワッシャーで、
これをピニオンギアとベアリングの間に入れることでピニオンギアを押し上げ、
ドライブギアと噛み合ったときにガタを限りなく無くしてくれるんです。
ダイワのリールのハンドルガタが少ないのは、
このウェーブワッシャーを多くのリールに採用しているからなんですよね。

次は中間ギア。
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こちらも今までと形状は変わりませんが、材質が黒いエンプラに変更されています。

かなり固く摩耗にも強いプラスチックギアのようですが耐久性はどうなのでしょうか?
正直開けたときに既にピニオンギアやドライブギアに黒い汚れがついていたので微妙な気もします・・・

まあ暫く使って様子を見ましょう。

てなわけで分解できました。
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正直分解自体は今までのステラより容易になっていると言えます。

あ。

メインシャフトの摺動子の分解を忘れていました。
この小さなパーツはモデルチェンジの度に結構改良されているのでチェックしていきます。

早速ネジを外してカラーを抜き取ろうとすると・・・
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んっ!んっ!?
え、全然抜けないんだけど・・・

指で取れなかったので反対側から綿棒で押し出すと、
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やっと取れました~

て、なんじゃこりゃ!

よく見てみると、
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白いカラーの部分に溝が設けられ、そこに小さな黒いゴムリングがついてる!
抜けなかったのはこのゴムリングのせいだったんですね。

ご覧のように18ステラから摺動子部分のベアリングが無くなったので、
分解する前はベアリングの追加を考えていたのですが、
これを見てしまうとここにベアリングは入れないほうが良さそうですね。

おそらく、14ステラからよく言われていた、
スプールを上にして巻いた時のカチカチとした接触音を抑える機構だと思われます。
確かに18ステラはこれのおかげか14ステラみたいな音は鳴りません。
流石サイレントドライブです。

各パーツをクリーニングしたら、
自分好みに調整しながら組み上げていきます。

そして組み上げるときにも色々気づきました。

ピニオンギア上のベアリングが入るところにも細いワッシャーがありますが、
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これもウェーブワッシャー?

さらに、

IMG_4601.jpg
クロスギア(ウォームシャフト)下のところにも小さなウェーブワッシャーが入っているじゃないですか!

これは中々賢い変更点だと思います。
今までシビアな調整が必要だったところが、
ウェーブワッシャーを入れるだけでガタを無くせるようになりました。

いや~マジか~。
ここにもウェーブワッシャー使っちゃうのか~。

後は、
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普通に組み上げて、

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完成!

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しっかり調整しながら組んだので購入直後よりノイズが減り、
非常に滑らかな巻き心地になりました。

もう本当に滑らかで、XGなのが信じられないくらい回転も異様に軽いです。

いや~凄かったです。18ステラ。
「成熟は、結実する」のキャッチコピーの通り、
14ステラの弱いところに的確にメスを入れつつ、
17ツインパワーXDのドライブギアや16ヴァンキッシュのローターの仕組みを取り入れ、
かつ完全新型のデザインにうまくまとめた感じを受けました。

そしてシマノの開発チームはダイワのリールをよく研究していますね。
世界に誇る2社なのでこれからもお互いの良い部分を取り入れながら、
素晴らしいリールを作り続けて欲しいものです。

今回の18ステラなんですが、
個人的には14ステラの方がデザイン的には尖っていて好きですが、
14ステラから全体的な性能がしっかり向上しており、
間違いなく18ステラは名機だと思います。

今までのステラは、
ふんだんに新機能を投入する実験機としてプロデュースされてきましたが、
今回は新機能を纏いつつも他のリールで培ってきた技術も詰め込み、
非常に完成度の高い、言わば成熟機と言えるかもしれません。

しかし、
スプールが大きくなった分ローターのコンパクトさがやや失われてしまい、
完璧に調整した14ステラのあのヌルヌルを通り越したツルツルした巻き心地には、
どんなに上手に組んでも届かないのは少し残念でした。

歴代ステラの中でも、
最も巻き心地に拘って設計された14ステラのローターはやはり特殊です。

今回の分解で18ステラのサイレントドライブが摺動子パーツの変更や、
ウェーブワッシャーを利用したクリアランスの自動調整であることが判明したので、

これらのパーツを使い、

次は14ステラのサイレントドライブカスタムを作ろうかと思います。
パーツは既に発注済みです(笑)


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Comments 2

リュー  

待ってましたぁ!!!

ひょっとして……と思ってましたが、17TPXDと同じドライブギアでしたか!!

ピニオンギア、中間ギアが14ステラと同寸法であれば14ステラに丸々移植……

なんて夢を見たり(笑)

とはいえ15TP、16ヴァンキ、17センスを金色のドライブギアでXD化出来そうなのでワクワクしちゃいます!

あとサイレントドライブ化もスーパー楽しみです!

貴重な情報をありがとうございました!

2018/06/13 (Wed) 09:14 | EDIT | REPLY |   

ささきょん  

初コメント失礼します!!

最近15ツインパワーのMM化を施工し、中古購入の14ステラのシャラシャラ具合に悩まされてネットを飛び回っていたところ、こちらの記事を見つけました。

リールの分解メンテを始めたばかりで、異音の発生原因などトラブルシューティングができないのでとても勉強になります(^^)

14ステラ4000xg シャラシャラ音が酷いのですが、分解メンテ経験豊富な釣具屋さんに回してもらったところ、クラッチ〜ベアリング、連鎖してギアまで交換かもとのこと
メーカーに頼んだ方が良いと診断されましたが、パーツ交換で直るならやってみようと考えています。

ベアリングは交換する物として
ローラクラッチ交換の判断基準はどういった状態の時に行われるのかご教授願います。

2019/01/23 (Wed) 14:58 | EDIT | REPLY |   

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